プラスチック電子機器は今回の新技術の発明によって大きく飛躍し、近い将来にはロボット工学や衛星ナビゲーションなどの分野で大活躍することになるでしょう。この画期的発明はケンブリッジ大学のカベンディッシュ研究室によって達成され、ヘニング・シリンガス教授のガイドのもと物理学者のドクター・エンリコ・ギリとドクター・オウケ・クロネメイヤーのチームが液体精製オーガニック半導体を使用した技術を開発し、この技術の既存のアプリケーションへの適用が期待されています。
今回の発明によって、プラスチック電子機器サーキットはより簡単に製作されるようになり、効率性も上昇します。通常、高性能サーキットの製作には２種類の活性剤を必要としますが、この新技術においてはわずか１種類で同等の結果が得られるのです。
これまでの知識ではプラスチック電子機器は大量生産型のシリコン電子機器には太刀打ちできなかったため、高電圧を必要としない高性能回路を製作する方法は科学者にとって長年の研究課題でした。プラスチック電子機器はポリマー基盤上の印刷可能インクである活性剤のおかげで今回の成功となりました。基本的にはプリント用にオーガニック素材が必要ですがマイクロチップのように大型な特別工場が必要ということはなく、小規模の研究室で十分です。
さらに特殊インクは性能をフルに発揮するためには室温より若干高めの温度を必要とする程度でよく、こちらも１０００度以上の高温を必要とする従来のシリコンチップに比べて格段に手軽です。この新技術により処理スピードも従来の数百ヘルツから数百「キロヘルツ」にまで高速化を実現しています。
引き続き必要電量の軽減化にむけ研究は続いています。これにより電子機器の軽量化・よりフレキシブルな機能搭載が可能となって、例えば巻き取り収納可能なテレビスクリーンなども夢ではなくなってくるのです。
