わたしたちがデザインのアイデアを考える際に、自然界から影響を受けることが大変多いものです。確かに科学やテクノロジーを用いても素晴らしいものを作り上げることができますが、人間界の数百年の研究開発の歴史に比べて５００万年の進化の歴史がもたらすアイデアの深さはとても比較のしようがありません。ですから、一番良いのは両方の良い所を合わせるようにして、自然界のデザインのイメージを科学の力で体現化することでしょう。ここで紹介する「クロロフィルの世界」などは生物学と科学が上手に融合した良い例です。
「クロロフィルの世界」のデザインはＩＡＭＺデザインスタジオによって実行され、木々が太陽光を受けてそれをエネルギーに変える仕組みから影響を受けました。建物のデザインコンセプトは「葉っぱのように個々のユニットを見立て、それぞれの部屋が太陽光を最大限に受けることが出来るようにする」というもので、工夫の凝らされた建築デザインにより各部屋からそれぞれ独自の景観を楽しめる他、自然換気においても他のユニットの妨げを受けることがありません。
このプロジェクトはまだコンセプト段階ですが、もし建築の承認を得られればニューヨークのど真ん中にこの見事な建物がお目見えすることになります。そうすれば摩天楼の新しい観光名所になることは請け合いです。建物は基本的には一般住居として利用され、太陽光への露出の高さから屋根部分をソーラーパワー仕様にすることも可能です。
