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人が回帰線を極地寄りに移動させる?

人間による環境汚染が宇宙に与える影響は、かつて想定されていたものよりも大きいようです。
研究が始まった当時は環境汚染と熱帯・亜熱帯地域の変化との関係性が示され、25年以内に回帰線間の距離が222kmから553kmまで拡大するとされていました。しかし新たな研究結果によって、このような変化は人的活動の影響をより強く受けているということがわかったのです。

ネイチャー誌に掲載された調査結果によれば、ノーザンハンプトンシャーの、主に北半球低緯度から中-低緯度地域から放出された人工対流圏オゾンと
黒炭素すすが回帰線をより極地へ押し上げているとしています。

Man-made Pollution Shifting Tropics and Sub-Tropics Poleward

本当に回帰線が極地へと北上しているのであれば、亜熱帯が今日よりも乾燥する可能性を予告されていることになります。つまり、降水量は減少し、
この地球での生活を左右している自然の恵みや経済、そして社会に悪影響が及ぶかもしれない、ということです。

人間による悪影響は広く知られ実証されてもいますが、この研究成果は、私たちが、直に関わる環境のみならず宇宙全体に影響を与えてしまうという
事実を確証したことになります。例えば、仮にこの傾向が続いた場合、アメリカ合衆国南部はさらに乾燥し、30年前と較べると嵐の発生システム自体が遥かに北上することになってしまいます。
亜熱帯が乾燥することによって、高-中緯度地の域降水量が増加します。地域では、それぞれの気象条件に合わせた暮らしが何世紀も続いており、経済活動や社会生活はそれに基づいたものであるがために、回帰線の変化や気象パターンの変動などをもたらすこの傾向は、決して良い兆しとはいえません。

もちろんこれまで見てきたように、世界レベルで黒炭素すすを減少させようという取り組みもいくつかあります。もしそのような取り組みが有効に
実現できれば黒炭素の影響は他の汚染物質に比べて短命ということになり、この傾向を逆転させられるかもしれないのです。

Via: Treehugger

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