なんらかの用途で木材を使う際、防腐剤が加圧注入された木材は最も人気のある木材のひとつです。ただ、中には、この木材の処理のプロセスにおいて使われているさまざまな化学物質に対して矛盾していると感じる人もいます。ここでは、そういった木材に対する俗説をはっきりさせ、そういった木材に関する事実と、用途について皆さんにお話したいと思います。
防腐剤が加圧注入された木材って?
木は生分解性で、再生でき、再使用、リサイクルができる素材です。 しかし、すべての木材が同じくらいの耐久性があるというわけではありません。ほかのよりも耐久性があったり、そうでなかったりとまちまちです。その問題を解決するのに、防腐剤の加圧注入というコンセプトができたのです。この処理は、ありとあらゆる木材を使うという、新たな可能性をもたらしました。木材は耐久性があって長持ちし、色々な用途に使うことができるのです。使用する化学物質は、木材の腐敗を防ぎ、防虫、防カビにもなります。それだけでなく、コスト面でもそれほど高くありません。
防腐剤が加圧注入された木材はどうやって作られるのか
2003年まで、木材はCCAやクロム銅ヒ素系木材保存剤で加工されていました。しかしこれには、人間にとってだけでなく、動物や植物などにとっても危険な発ガン物質であるヒ素が含まれています。実際、このような化学物質で処理された木材を燃やしたり、野菜を育てている畑の近くに置いておくだけでも、環境にとって有害なのです。なので、この製品に関して、健康面での安全性についての問題が取りざたされました。結果として、このことから、改善した防腐剤の加圧注入が誕生。ACQ(第4アンモニウム性銅防腐剤)を使うのですが、これは前述したような有害な化学物質を使いません。その名前が示すように、ACQは銅をベースとした防腐剤で、より安全であるだけなく、コスト面でも優れています。
木材の異なる段階のグレードとレーティングは以下のようになっています。
- 地面に接する場合 – .40
- 地面の上 – .25
- 淡水と接する場合- .40
処理の段階においての浸透の度合いが、レーティングを決定します。
環境にとって、安全か有害か
2003年以前に市場に流通していた防腐剤加圧注入木材は、健康面、安全面において大変深刻な問題がありました。使われていた有害な化学物質は、その木材を使う人が取り扱いに注意しなければならないだけでなく、その木材が多岐の目的に渡って使用することができないということでもありました。しかしそうした木材に制限がかけられ、その化学物質の使用も禁止された結果、より安全な方法で木材の防腐加工をするという方向に変わりました。ACQで加工した木材は有害ではなく。安全です。ですが、長期的に見た場合その化学物質が有害であるかどうか、まだ情報は得られていません。
利点とさまざまな用途
防腐剤加圧注入木材の主な利点は、長持ちするということ。耐水性があり、使われている化学物質が、シロアリ、虫、カビ、菌などから木材を守るので、長い間新品同様の状態を保ちます。実際にそう加工された木材を販売しているメーカーは、自社製品に15年から25年の保証をつけていることが多いです。しばらくしてからも、定期的に手入れをしてやれば、いつもフレッシュで新品に見えます。このタイプの防腐剤加圧注入木材は、多機能で、何にでも使えますが、主に、外のウッドデッキや遊具、ポール、ボートデッキなどに使われることが多いようです。
防腐剤加圧注入木材をきれいにする
木材をより長持ちさせるために、きれいに保つことが大事ですが、防腐剤加圧注入木材の場合、ちょっと注意が必要です。まず始める前に、自然の繊維(木屑など)が入っているものはほうきで払っておきます。ホースをつかって、水で木材の表面の汚れを取り、ぬらします。ぬるま湯に溶かしたウッド・クリーナーを使い、木材にスプレーしてそのまま10分ほど置きます。ほうきやモップで 木目をこすります。そうすることで、ダメージを与えることを防ぎます。ホースの水で木材を洗い流しましょう。乾燥した天候で1日から2日置いて乾かします。仕上げ剤かステインを塗る新品同様に見えますよ!
クリーニングのための製品を買うときは、その木材のタイプによって、クリーニングの製品も異なってくることを忘れずに。覚えておくと、お手持ちの木材にぴったりと合うクリーニング製品を見つける一助となるでしょう。
まとめ
導入当初は防腐剤加圧注入木材は有害でしたが、後により安全に注意を払った代用品ができました。新しい技術革新で、今では環境にやさしいだけでなく、家庭でも使える製品となりました。