地球温暖化が人類にとって深刻な脅威となりつつある中、エコフレンドリーな方策が温暖化を抑制するために次々と採択されています。電力の使用を抑制し、人が暮らす場所での植物栽培を促進することはその一例です。このようなアプローチが普及し、宗教施設でさえも地球温暖化の危険性を念頭に設計されるまでになりました。このような施設の一例として、ドバイでエコフレンドリーであることを目指したモスクが間もなく創設されようとしています。このプロジェクトは、18カ月後に完成する予定です。
Awqaf and Minor Affairs Foundation (AMAF,イスラム・諸問題協議会) は、ドバイでのエコフレンドリーなモスクの建設予定を発表しました。こういった試みは同地では初めてのことです。エコフレンドリーなだけでなく、アラブ首長国連邦では最大規模のものでもあります。工事は、Al Arif Contracting社が落札し、総費用は2500万UAEディルハム(約5億3540万円)程度の予定です。
モスクは2013年末の完成を予定しており、デイラ時計塔に近いAl Rowad村の奥が建設予定地です。敷地面積は4180平方メートル程度で、収容人数は3500名です。
エコフレンドリーなモスクにするために、様々な段階を踏んでいます。太陽電池パネルを使って、沐浴やその他の用途に使う温水を作るための電気を供給させます。また、効率性の高いエアコンやコンピューターシステムを備え付け、主に電気機器の効率をチェックします。建物の表玄関は、夏の暑さ対策に特殊な塗装を施す予定です。モスクは、採光を最大にして電力消費を抑えるような方角に向いています。さらに、沐浴用の水も無駄にせず、水洗トイレや景観の緑化のための灌漑に再利用する技術も用いられる予定ですモスクの建設には、アスベストとポリスチレンの使用を避け、よりエコフレンドリーな環境に近づけます。また、断熱材、エネルギー回収機構つきの吸引ファン、完全自動制御のサーモスタットを利用し、屋根や建材の接地面に自然光・熱反射の塗装を施すなど工夫も予定されています。
AMAFと英企業Greenfield Consulting社は、このプロジェクトをエコフレンドリーなものにするため、8か月間の設計期間を費やして完成にこぎつけました。モスクの建設は首長国のある市民の出資で行われ、その希望によってオスマン様式で建設されることになりました。しかし、その出資者が昏睡状態に陥ったため、工事の責任はAMAFに委任されることになりました。
計画のほとんどが、元の出資者の希望に沿って進められていますが、エコフレンドリーというテーマはAMAFが、「Leadership in Energy and Environment design scheme (LEED,エネルギー・環境に配慮した設計スキームのリーダーシップ)」による認証が下りるように、付けくわえたものです。さらにAMAFは、水の使用量を25%、電力使用量を 20%削減することを目指しています。
ご覧の通り、このようなアプローチの下でこのモスクは他の施設に対する模範となって、エコフレンドリーなプロジェクトや課題の普及・促進に寄与するに違いありません。