環境に優しいものが必ずしも新鮮味に欠けるわけではなく、このことは、リーヴァがデザインした、一風変わった外見の、丸木作りで座り心地の良さそうなソファが証明しています。自然なスプリント色の木材と飾り気のない茶色の革張り材が用いられた茶色のソファは素朴で暖かい感じがします。ウターと名付けられたこのソファの、シンプルなデザインとすっきりとしたラインは、現代的なライフスタイルにもよく似合います。この素朴な外観によって頑丈そうな構えが際立ち、また、その環境への配慮によって、家庭のみならず自然にも良い製品であるという長所が加わるのです
この一点の家具の品質をさらに高めるのが用いられている材料です。ブリッコラというのは係留設備を作るのに用いられるヴェネツィアの木製杭の名称です。これらはソファになってもその原型をとどめていますし、取り換えが必要になったあとでも約１０年間は持ちこたえるでしょう。この木材はおのずと微生物の影響を受け、その微生物の開けた自然な穴が魅力的な質感を醸し出します。
それでは、木材から少し離れて、上の部分についての話をしましょう。上の部分は分厚い茶色のクッションでできており、それがソファに十分な弾力と座り心地の良さをもたらします。ごつごつした外観で、一見、森林から切り出されたばかりのような下の部分と比べると、上の部分はずっと洗練されていて上品な感じがします。これは、現代的なデザインでもあり、同時に時代がかったデザインでもあるという理想的な組み合わせだと言っても間違いではないでしょう。
出典：リーヴァ 1920