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空気中から水を取り出すエコフレンドリー機器

水の稀少化は人類にとって大きな問題となっています。国連の調査によると10億人もの人が適切な飲み水にありつけない状況であるといわれ、水に関連する病気は途上国において50%が予防可能なものになっています。先進国においても地方での水の安全性は確信できず、水道業界にとって大きな痛手です。

大気中には常に水蒸気が混ざっています。海の水が蒸発して大気に混ざり、雲になって雨や雪としてまた地上に戻るサイクルです。この際大気にとどまっている水分は人類の必要を満たすに十分な量です。

科学者とエンジニアは如何にして雨を待たずに水を大気から取り出せるかを模索しています。2種類の方法としては冷却結露と水式乾燥です。前者は水滴が飲み物のボトルの表面に付く現象として知られています。大気温度が結露点を下回り水蒸気が結露するのです。乾燥冷却とは塩が大気中の湿気を吸って湿るのと同じ現象で、商業用機器も販売されています。その他の方法も試されていて関連業界も発達してきています。

結露冷却

1.天然石を使用

文明のはるか昔より使われている手法です。ヨーロッパや中東では10m級のハチの巣のような石の建築物が19世紀に作られて、この石は夜間に急速に冷え湿気を含んだ大気が触れると結露して水になり、内側の桶にためられて飲料水などに使われます。フランスではこの方式はワイン畑に使われています。

2.水ネットを使用

昔の方法を近代的にアレンジしたものです。アフリカのサハラ地域にあるカバジャンという村で、南アフリカ建築大学のチームが山道にプラスチックのネットを張るのを手伝い、雲などの湿気から水を取り出しパイプを通してタンクにためられます。このシンプルな機器で数百リットルの水が利用可能になり、昔は水源まで2キロもの距離を歩かなくてはいけなかったことを考えると大きな進歩です。この実験は近隣地域の他の村でも利用され、チリやネパールにまで広がっています。

3.折りたたみ式水取得気

イスラエルの建築家、ジョセフ・コーリー、エヤック・マルカの両名が折りたたみ式の3角形の建築物、ワトエアーを作り出し、葉っぱが空気の水分を吸い付けるのを原理としてタンクに水を貯めます。高さ1mで3.5キロ分貯水可能でどこででも設置が可能だということです。

4.ガスト・ウォータートラップ

マックス・ウイッソン教授は電力の代わりに結露を作り出すタービンを開発しました。この風タービンは垂直の羽が付いていて、常に風の向きを向いているように工夫されています。風がタワー内を通りぬけるときに冷却コンプレッサによって水に結露されタンクに流れ込みます。この製品はウォーター・アンリミテッド社によって一般販売されています。

5.風車で水を大気中から

オランダのダッチ・レインメーカー社は電力ではなく水を作り出す風車を設置しました。このデザインによると、暖かい場所を空気が通りぬけ水蒸気が結露するのです。この風車で毎日5000-7000リッターの水が発生され、地下水に乏しいところには素晴らしい機械です。

6.冷却式結露

近代結露冷却機器は一般的にコイルを使います。メーカーの多くは次のような手法で結露冷却気を作り出しています。インレット空気はゴミを取り去るためにフィルターがけされ、コイル内の冷却ガスの中を通り抜けます。ここで結露したステンレスタンクに貯蔵され、UVライトに30分ほど照らしてバクテリアを殺しカーボンフィルターでろ過されます。一般的に毎日20-25リットル生産するモデルは$1500で電力は500ワット消費します。見た感じはウォータークーラーのような感じで、オフィスや公共のスペースで使用されます。

この分野で最大手の1つにマイアミにあるエア・ウォーター社があり、25リットルから2500リットルまでのサイズが発電機と共に設置可能で、建築現場やインドの山奥の村にも適しています。同社製品は21カ国で販売されています。

もう1つの大手はエレメント・フォーテクノロジー社で、ブリティッシュ・コロンビアに本拠を構えます。同社の製品はウォーターミルと呼ばれ、小さな家族一家を賄うだけの一日11リットルの水を生成します。結露機構は家の外に、移動式タンクは室内に設置され20リットルモデルの開発も進んでいます。このほかにも多くのメーカーがいろいろな製品を開発販売しています。

7.DRIPS

サンフランシスコの高校生2人とカリフォルニア大学の指導者の先生が作り出した、大気から水を取り出すシステムです。1フットもしくはそれ以上の大きさで、プラスチックやアルミニウムのコーン型の表面でチューブとつながって1.5フィートの地中に埋められます。表面部分は夜間に空気に触れ、水滴を生じます。その水はコーンの形状を利用して地中に下りて行くのです。地中1.5フィートということで、蒸発してしまうこともなく植物の水やり効果も発揮します。特にポテトの栽培に向いています。

8.塩水タワー

ICB大学とロゴスイノベーション社とのコラボで生まれたコンセプトの高いタワーのような建築物には塩水が流れています。塩が大気に触れるときに水分を吸い込みタンクに吸い込まれていきます。タンクはソーラーパワーで暖められ、塩水を沸騰させます。大気中から取り込まれた水分は蒸発しチューブを通って出て行きます。この水はタンク内に残り、塩分はタワーのうえまでポンプで汲み上げられ再利用されます。

9.水分乾燥法

フロリダ・オンタリオのシペリオ社は塩化液体リチウムを使って、大気中から水を乾燥させて取り出す技術を開発しています。その結果、この方法は結露方法より省エネで、飲み水よりも工業用水として機能的だということが分かっています。

10.ソーラーエネルギー乾燥法

アトランタにあるA2WH社は水分乾燥法を採用し、水分吸収に乾燥過程を利用します。ソーラーエネルギーで水分を吸収し、屋外に置いたユニットで太陽光を最大限利用して発電しポンプなどを稼動させます。一般家庭や農家に適しているということです。

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