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エアカー・エンジンについて知っておくべき全てのこと

Air powered car engine

圧縮空気は、エネルギーを蓄積して、空気ドリルやエアシリンダーといった機械を稼動するのに長い間使われてきました。トラックやバスなどの大型輸送機関にも、空気ブレーキが使用されています。内燃機関によって引き起こされる汚染の代替を求めて、車の一次側電源としての圧縮空気の利用は、研究やエンジニアのテーマとなってきました。初めてエアカーが作られたのは、1920年にまでさかのぼります。

圧縮空気技術(CAT)使用自体は、汚染を引き起こしません。しかし、空気を所要圧力まで圧縮する際に、エンジンの稼動を要するので、排出物が出されます。CAT技術の車への適用は、タタ・モーターズ社のエアカー開発に報告されています。この技術はいまだ遠いものですが、開発者たちはその取り組みを止めることはありません。

トレンド

1. デレク・マクリッシュ氏の圧縮空気カー

カリフォルニア州ロンポックのデレク・マクリッシュ氏が、スキューバダイビングのタンクに溜めた圧縮空気で走る車を開発しました。これは、ホンダのRC51 998ccスーパーバイクに使用されていたエンジンを改良して作られました。エンジンのシリンダーのうち1つを遮断し、他のシリンダーの点火プラグ穴を使って圧縮空気を入れます。圧縮空気は、パワーストロークとしてピストンを下げます。パワーストロークが終わると、排気弁を通って圧縮空気が出され、空気だけが排出されます。ピストンは、ホンダのバイクの6速変速機を通してタイヤに接合されています。この改造エンジンは、チューブ式フレームとボディの上に搭載されているので、レーシングカーとバイクを混ぜたような外観になっています。

デレク・マクリッシュ氏は、スキューバタンクを3本に3500 psiの圧縮空気を保存しました。それを、アクセルペダルが繋がっている自作の絞り弁の付いたエンジン入り口で250 psi に減らしました。この3本のタンクで、マクリッシュ氏はボンネビル・ソルトフラッツを2マイル(約3.2km)テスト走行することができました。この時、平均速度46.723 mph(約75km/h)、最高速度54.058 mph(約87km/h)を達成しました。彼は、圧縮空気で300 mph(約483km/h)を出すことも可能だと述べています。

このコンセプトが実用化するまで、いくつかの問題点が残っています。例えば、3本のタンクで2マイル走行できるということは、100~200(約160~320km)走るには何百本ものタンクが必要になるということです。こんなに多くのタンクを載せたら、車は非常に大きく重いものになってしまうでしょう。

2. ティーンエイジャーが発明した圧縮空気の永久カーエンジン

ウズベキスタン・サマルカンドのティーンエイジャー、マルフ・カリモフ君が友人の車を改良し、タンクに溜まった圧縮空気で走行する車にしました。彼は、車が走ると、空気を取り込み蓄積し圧縮するので、永久機関であると言っています。

勿論、永久機関というのは物理の原理上不可能とされていますが、カリモフ君のアイデアは却下されたというわけではありません。車の走行中に圧縮空気が再生成されるというのは、とても興味深いコンセプトです。これは、充電式の電気自動車電池に似ており、圧縮空気の一部の再生成は、現在の技術理解以上のものであるかもしれません。

3. タタ/MDI One CAT

タタ・モーターズが、インドにおけるエアカー製造のため、ルクセンブルグのモーター・ディベロップメント・インスティテュートとの契約に署名しました。このエアカーは、MDIのCEOであるガイ・ネグレ氏によって開発されました。彼は、前F1マシンエンジニアであったと言われています。報告によると、今回のエアカーは、空港における乗客輸送機関として、航空会社KLMによって高い評価を受けています。

車には、MDIが開発した空気エンジンが使用されています。圧縮空気は、熱可塑性のカーボン繊維タンクに300 psiで溜められます。ボディはファイバーグラスで作られ、チューブ式スチールフレームの上に載せられます。フレームの部品は、すでに航空機界で導入されている技術に基づいて、溶接ではなくエポキシ接着剤によって接合されるでしょう。また、この車には最新の電子コントローラーが搭載されます。

最高速度は、105 kmph で、満タンのタンク1本で200~300km走行できると言われています。圧縮空気は、現在使用されている石油ポンプで数分間で入れることができます。圧縮空気の価格は、1kmあたりの石油価格の10分の1と見積もられています。ガソリンスタンドでの空気圧縮はオフピーク時に行われ、後に風力や太陽といった再生可能エネルギー源を使用することができるでしょう。路上での空気注入の代替案として、車を電気圧縮機に一晩つなげば、3~4時間でタンクを補充することができます。

これらに加え、このエアカーの価格はおよそ$ 8200と言われています。この値段は、安いガソリン車の値段とほとんど変わりません。

また、エアエンジンとガソリンエンジンを備えたハイブリッド・バージョンもあるそうです。街中を走る際にはエアエンジンが使用できます。高速道路で長い走行が必要な時には、ガソリンエンジンを使えば、走行中に圧縮空気タンクを補充することができます。

エアカーの発売を目前に、でっち上げや工学上の不可能ということで、多くの疑念が突きつけられました。タンクの数と走行距離に関するデレク・マクリッシュ氏の車についての報告が、でっち上げを増長しているようです。タタ・モーターズは、このような報告に対して公式な対応をしていません。最初に報告された発売日は、2011年8月でした。

利点

エアカーの最大の利点はもちろん、汚染物質を一切出さないという点です。空気というのは再生可能資源ですし、所要圧力への空気圧縮は、エネルギー集約プロセスによってではありますが、しっかりと確立されています。

欠点

疑念を抱く人々の言う工学上の不可能というのは、4500 psiもある圧縮空気でさえ、1ℓあたり50ワット時のエネルギーしか出せないということです。これは、1ℓあたり1694ワット時を出せるガソリンに比べて、非常に小さいものです。(ただし、燃料それ自体に1ℓあたり9411ワット時が含まれています)

それに加え、空気圧縮は、エネルギー集約プロセスです。たとえオフピーク時にガソリンスタンドの電力が使用されたとしても、化石燃料を使用するガソリンスタンドである可能性が高いです。

影響

空気というのは、石油燃料の代わりを求める人類にとって、評価されるべき代替技術の一つでしょう。エアカー実用化の最初の可能性としては、乗客輸送車など走行距離の限られた自動車になるかもしれません。このような導入によって技術の発達が促進され、空気が車の動力源となる時がくるかもしれません。

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