世界的に化石燃料への依存から電動自動車へと移りつつあります。またこれにより、環境汚染を押さえる事にもなります。ただ、電動自動車(EV)の問題は,非常に大きいバッテリーをチャージするのに何時間もかかる事です。しかも車を駐車しチャージャーにつなぐ事の出来る場所が、ごく限られています。そこで、電磁誘導という科学的方法による誘導帯電、という考えが生まれました。これは、19世紀にマイケルファラディーによって発表された方法で、誘導コイルで電気が空気を通して自動車にワイヤレスで充電する、という物です。交流電磁場が誘導コイルで作られ、それにより、電流を誘導しEVのバッテリーを充電するのです。また、他の方法として、 共振結合があります。この方法では,二つのパッドの電磁場が非常に近い共振周波の結合によって電荷を発生させます。
トレンド
1、エバトランワイヤレス充電ステーション
毎日のように発見される新しいテクノロジーによって、EVの直面する障害は徐々に克服されています。EVの先陣、エバトランは新しい充電方法を作りました。プラグレスパワーと呼ばれるこの方法は電気誘導を利用したワイヤレス充電システムです。この充電法は,正常に機能して充電しているかを常に確認します。特に自動車に改造の必要がなく、車体下部に4、5キロほどのアダプターを装着するだけです。パーキングブロックとアダプターの間に実際に電気が流れる事はなく、アダプター内の電磁コイルとパーキングパッド間で作られた電磁場によりバッテリーに誘導荷電される仕組みです。また、通常のプラグインシステムを使う事も可能です。
2、ボルボワイヤレス充電
スウェーデンの自動車会社ボルボが開発するEVのワイヤレス充電ステーションです。このプロジェクトは公式にはコンティニュアスエレクトリックドライブ(CED)とよばれ、EVの充電をソケットやワイヤーの煩わしさなしに行います。誘導帯電を利用し、バッテリー充電を行う新技術です。利用は簡単、電磁場を作るコイルを備えた荷電プレートが地面に埋め込まれており、自動車の下部に装備した誘導ピックアッププレートがその上に来るように車を配置するだけで、直接のコンタクトなしに電気を充電することができます。ボルボC30EVにはこの装置が装備されています。充電にかかる時間は満タンまで1時間半ほどとされています。
3、デルフィワイヤレス充電システム
ワイヤレスエナジートランスファーの会社ワイトリシティーとの提携により、自動車部品供給会社デルフィーが作るワイヤレス充電システム。厳密な共振電磁結合を利用した技術です。地面に埋め込まれた共振パッドがEVのバッテリーパックに充電します。強力な結合により作られた電気は接触なしに転送され、安全かつワイヤーやソケットなしで簡単にバッテリーチャージが行われます。
利点
ワイヤレス充電システムには様々な利点があります。技術が誘導帯電または共振結合を利用しているため、ワイヤーやソケットの必要が無くなりました。安全で、感電の危険性も軽減されます。便利で、しかも時間も削減できます。市場に既存のEV車にも適用する事が出来ます。エコな移動手段が多くの人に受け入れられている中、ワイヤレス充電によってEV車のメンテナンスは簡単になっています。
短所
ワイヤレス充電の唯一大きな問題と言えば、発生したエネルギーの効率が悪い事です。これは、コイルからコイルへの転送の際にエネルギーが失われるためです。システムの装備費用はプラグイン方式よりも高く、EVオーナーには不利と言えます。
インパクト
エネルギー効率は悪くなるとはいえ、安全性と簡易性の点でワイヤレス充電は優れています。ワイヤーもケーブルもなし。誘導帯電は全く電気を必要とせず、実際のところエコでないかもしれない既存の充電ステーションに比べればずっとエコフレンドリーなので、グリーンなEVをよりアピールできます。コストに付いては、よい物が皆お手軽なわけではない、というほかありません。