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航空燃料の良い点、悪い点

戦争用の重機などの次にカーボン排出量の多い分野は航空業界です。2011年6月の認定以降、多くの航空会社が生物燃料を主に使うように切り替えています。それもこれも一般の石油の使用量を減らすためです。航空機用の生物燃料は普通の生物燃料とも少し違うのです。基本的には生物燃料には2種類あって、最初のはバイオSPKと呼ばれる植物から取れる合成ケロシンからなるオイルで、もう1つはFTSPKという合成ケロシンです。こちらは何段階もの生成過程でガス化や熱分解を繰り返してオイルとガスを作り出すものです。他の技術と同じくこの技術にも良い点と悪い点があり、それらをここで見ていきましょう。

良い点

生物航空燃料には大きな利点があります。カーボンフットプリントを減らしてくれるのが最大のものです。現在は航空業界は地球上の総排気ガス量の2%を占めていますが生物燃料の普及によって合成オイル無しでも大丈夫になるのです。

生物燃料のおかげで2050年までに排ガス量は半分にまでカットできると予想され、研究者の多くは一般燃料と混ぜて使用することでより安全で効率的な使用ができるとしています。それ以外にも生物燃料には硫黄を含む微分子が入っていないので、専門家によると温暖化ガスに関しては少なくとも85%は削減できるとの予測を立てています。

生成過程でも廃棄物を利用するので現在の燃料よりも安上がりになることができ、ひいては飛行機代の値下げにも期待できます。

その他の特長としては継続使用的なものがあります。有力筋によれば2040年までには化石燃料はほぼ消滅するとのことで、今のところエンジンをそのまま使える生物燃料が唯一の希望の光です。水素・電気・原子力の燃料はまだまだ開発初期ですから期待できません。もし生物燃料がうまくいけば近未来コンセプト飛行機に見事に対応できるはずです。

悪い点

生物燃料にもマイナス面はあります。つまり水の使用量です。生成過程ではそれほど使用しませんが、生物燃料資源の収集時に大量の水が必要となってきます。

大豆の例を見てみれば、大豆からオイルを取ってそこから航空燃料に精製するのにはほとんど水は必要ありません。しかし、大豆そのものを栽培するのに多くの水が必要です。航空燃料用として大規模で栽培する際には自然の雨だけでは足りません。これが経済的に圧迫する点です。生物燃料のために水不足にもなりかねません。

最悪な点

さらにひどいのは生物燃料用に栽培するということは食用に影響が出てくる点です。農地のほとんどを燃料用に使うことにもなりかねません。

大企業が燃料用に農地を買い占めるとなると長い目で見て食物不足という自体を招きかねません。

はじめはゆっくりとかもしれませんが、次第にインパクトが出てきて、増え続ける人口もあいまって深刻な食糧不足にもなりかねません。企業が利益だけを追求するとこれに対抗する手段は無いのです。

それでは打つ手は無いのかというと、あえて遺伝子組み換えの作物を燃料用に許可すれば多少の厳しい状況でも育つので助かります。他には藻を利用してオイルを抽出するという手もあります。藻の張った水辺を有効活用するのは良いアイデアです。結局は法律を整備してなるべく農地を食料用に確保するようにすることが必然となってきます。

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