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マリン・クラウド・ブライトニングについて知っておくべきこと

Marine cloud brightening

地球温暖化の問題が深刻度を増し、世界中の研究者がこの問題の解決策を求めて奮闘している今日、どんな解決法も大歓迎です。次にくる方策は何でしょうか?それは「マリン・クラウド・ブライトニング(Marine Cloud Brightning)」というコンセプトです。どんなコンセプトなのでしょうか?それは、地球温暖化の問題と戦う技術のコンセプトです。空気中に水分を加えることにより既に出来た雲を大きくして、空気中の二酸化炭素の割合を下げるという試みです。しかし、いったい雲がどのようにして地球温暖化を抑えることができるのでしょうか?雲は太陽光をかなりの割合で反射して、地球の大気圏に侵入するのを防ぎます。この作用により温度の上昇を自然に押さえることが出来るのです。

このコンセプトは、2つの事実に基づいて生まれました。まず一つは海から大量の水が蒸発するので、海洋上の雲は非常に厚いということ。そして二つ目は、海から空に向かって、雲を組成するために十分細かい水滴(直径約0.8ミクロン)としてて人工的に水を吹き上げることにより、そのプロセスを促進できるということです。そしてこのコンセプトでは、元からある雲に加わる蒸発した水ではなく、小さな水滴が問題を解決します。 このコンセプトの考案者は、従来型のディーゼルに代わり風力で駆動する特別な船を使ってこれを行おうとしています。使われるエネルギーは非常にクリーンです。アルベド・ヨットと名付けられたこの船は、海から生理食塩水をくみ出し、それを空中に放出します。こうした船を2000隻、海上に展開します。各船が30リットルを吸い上げ圧力をかけて約1000メートルの距離まで空気中に放出します。このコンセプトには、さらに徹底的な調査と研究が必要です。ここではこのコンセプトを実現するために何が必要なのか、詳細に見ていくことにしましょう。

 

動向

1. 雲に種まきする船がが環境変動と戦う

雲への種まき(人工的に雨を降らせるために雲に二酸化炭素をまくこと)がこのプロジェクトの重要なプロセスです。既に説明した通り、このプロセスを行うために船団を展開します。船の数は年間あたり50隻ずつ増やされ、トータルでは1500~2000隻になる予定です。この数字は現在の気候変動の速度に基づいています。これらの船は無人で完全自動化され、リモートコントロールで制御されます。 これらの船には莫大なお金がかかります。そこで、従来のディーゼルオイル駆動の船を使うことが実現可能な選択肢かどうかという問題が論じられています。しかしこの考え方は、プロジェクトの本来の目的を外れてはいないでしょうか?従来の燃料を使えば大量の炭素排出物が大気中に放出され、この取り組みの効果を根底から覆してしまいます。ディーゼル燃料の使用は地球温暖化を促進します。ですから、アルベド・ヨットにこだわるべきであると言えます。

2. 海洋硫黄サイクルの促進

このコンセプトは硫化ジメチルが雲の反射率を増加させるという事実に基づいています。従って天然の硫黄サイクルを作ることで硫化ジメチル生成のプロセスが促進されます。水が蒸発し、雲の反射率を高めます。

3. 圧電変換機を使った液体の超音波励起

これは、ファラデーの概念を使います。 想定域内の海面に自由波が生じ、それらの波が大きくなると水粒子が雲に届きます。しかしこの効果を生むためには、多くのエネルギーが必要です。これもまた皮肉なことですが、世界が現在直面しているエネルギー消費の影響を減らすことを目的として、エネルギーを使うというのは、果たして必要なことなのでしょうか?

 

メリット

最も重要で明らかなメリットはおそらく、地球温暖化を抑制できるということでしょう。このコンセプトを用いることにより、温度をコントロールできるようになるはずです。極地方の氷床は今より大きくしっかりしたものになり、それに伴う効果もあるでしょう。しかしこれらは仮定に過ぎません。実際に適用可能であるということは、まだ証明されていません。

 

弱点

一番の弱点は、これが概念に過ぎないということです。次に、この概念の信頼性を証明するためには、膨大な数の実験を行わなければならないということが挙げられます。そのような実験には想像もできないような膨大な金額がかかるでしょう。同じ金額があれば、それは人類の発展や他の問題解決のために使うべきかもしれません。

 

影響

このコンセプトの賛同者たちがアルベド・メソッドを信じている一方で、その妥当性を疑う研究者たちもいます。また、地球の大気に物質を放出することによる明らかな影響にすでに直面しながら、さらに別の物質を放出するということが賢明な選択なのでしょうか?もちろん、科学は疲弊した地球を守る道具ですが、科学の有用性を過度に利用することは、正しい選択なのでしょうか?地球温暖化を抑制するベストな方法は、言うまでもなく炭素排出量を減らすことであり、水蒸気を大気に放出することではないのです。

 

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