ecofriend.com

次なる取り組み:エネルギー効率の良いデータセンター

Energy efficient data center

データセンターとは、電気通信からウェブ・ホスティングへの全てのデータを記憶する集中型貯蔵所です。これらのデーターセンターは年間でおよそ31ギガワットの電力を消費し、上昇し続ける二酸化炭素排出量の主な要因となっています。今日世界中で訴えられている「環境への配慮」に伴って、こうしたデータセンターにも消費電力を削減する試みが行われています。そうした試みの結果として、近年エネルギー効率が良いデータセンターが数多く現れるようになりました。

エネルギー効率の良いデータセンターは、管理が難しいですが、今必要なものです。以下二つの分野において、データセンターでのエネルギー消費量をチェックする必要があります。

1. データセンターの基礎であるサーバーとコンピューターネットワークの電気消費量

2. サーバー及びコンピューターネットワークの電気負荷をサポートする空調や冷却装置

電力使用有効性(PUE)とデータセンター基盤有効性(DCIE)は、いずれも環境に配慮したデータセンターの有効性を測る指数です。オンライン・トレードやオンラインゲーム、オンライン・チケットシステム等が一般的になるにつれて、マイクロソフトやグーグル、ヤフーやフェイスブックといった巨大企業はより環境に優しい方法論、そして上述の指標を遵守したデータセンターの必要性を理解しています。以下でご紹介するのは、そういった次世代データセンターのほんの一部です。

 

1.ヤフー社のエネルギー効率が良いデータセンター

Yahoo Energy-Efficient Data Center

ニューヨークのロックポートにある、エネルギー効率に優れたヤフー社の新しいデータセンターは、鶏小屋からインスピレーションを受けて作られました。このデータセンターの特徴は、通常のデータセンターに比べ消費電力が40%少ないこと、そしてそのPUE指数が1.08と、環境基準に厳密に準拠しているということです。この施設全体は、ナイアガラの滝の水力発電により稼働されています。また、湖に囲まれた場所にこのデータセンターを作ることにより、鶏小屋と同じように涼しい風による冷却効果を得ることができるのです。

二酸化炭素排出量を減らすことはもとより、このプロジェクトにより地域に雇用が生まれました。このプロジェクトの利点が認められ、エネルギー省はこのプロジェクトに対し990万ドルの資金提供を行っています。

 

2. 日立データセンター

Hitachi data center

日立データ・システム社(HDS)は、革新的な環境に優しい横浜のデータセンターを、アースデイに合わせて発表しました。同社の主要施設である横浜のデータセンターは、自社のハード及びソフトのデータを収容し、同社のこの分野における技術力を示しています。このデータセンターのPUE指数は1.6で、このクラスの他のデータセンターと比較して非常に低くなっています。また二酸化炭素排出量は20%と大幅に削減されました。

日立のデータセンターは、水によるサーバーやラックの冷却、直流電源のコンバーターなど、数多くの環境に優しい技術を取り入れています。屋上には庭園を設け、夜間の冷却にも役立てています。同社のデータセンターは世界で最も堅牢なデータセンターの一つとして評価されています。

 

3. Colocation America社のデータセンター

Colocation America's Data Centers

Colocation America社のデータセンターは、最先端且つ確実な連結サーバー会社により設計されました。同社は、最適なエネルギー効率を生むためのデータセンターのセットアップ、構成そして管理について最高の知識を持つネットワークエンジニアを雇用しています。カリフォルニア州ロサンゼルスにあるこのデータセンターでは、クライアントや社内連絡に紙を使わずにメールを使う、より良い再循環のためにラックの間のスペースをなくす、照明コントロールシステムを導入するなど、様々な試みによりより環境に優しいセンターを目指しています。

 

4. シラキュース大学のデータセンター

Syracuse University’s data center

運用にあたって最も環境に優しいデータセンターは、IBM社とニューヨーク州、そしてシラキュース大学が共同で建設するデータセンターです。シラキュース大学のキャンパス内の6000平方フィートに1240万ドルをかけて作られます。このデータセンターの消費電力量は、通常のデータセンターに比べて半分だと言われており、天然ガスで駆動する12のマイクロタービンによる発電システムを備えています。マイクロタービンから生じる熱が吸収式冷凍機を通ることにより冷水を生じ、その冷水でサーバーを冷却します。冬期には、屋外の冷たい風によりサーバーは自然に冷却され、タービンで生じる熱は建物で使われるお湯を作るために使われます。エネルギー効率に対する素晴らしい取り組みが評価され、ニューヨーク州エネルギー研究開発局は、このプロジェクトに対し200万ドルを授与しました。

2007年、環境保護局は、2005年から2010年の間にデータセンターで消費される電力は2倍になるであろうと警告を発表しました。しかし、環境専門家たちの努力により地球温暖化への認知が非常に高まり、その結果こうしたエネルギー効率の良いデータセンターが生まれてきました。予測されたレベルには達していませんが、今私たち個人も、環境に優しい未来のために効率的なエネルギー使用に取り組まなければならないのです。

Today's Top Articles:

Scroll to Top