この記事では、シンプルなソーラー・ヒーターの作り方をご説明します。この仕組みは「ブレッド・ボックス（パン箱）」給湯器としても知られています。また、このシステムには温められた水を蓄えておくことも可能です。基本的にはリフレクターがなく勾配した箱形の太陽光温水システムです。
このシンプルな機器のコンセプトは、従来のものが複雑で高価なものとなり、また平らなパネルで起こる凍結や、パイプの詰まりなどの問題を解決するものとして考案されました。
この機器の組み立て方法を略図を使ってご説明します。基本は変えずに、ご自身でいろいろとデザインを工夫してみてください。
難易度
中程度。配管や木材の取り扱いについての基本知識が必要です。
予算
40～60ドル
設置にかかる時間
2～4時間程度
必要な資材・道具
1. 使用済みのドラム缶、または同様の入れ物
2. パイプ
3. 合板シート
4. ガラス板
5. 基本的な配管道具
設置方法
a. デザインの決定、フレームの方向
1. 日中太陽の方向に向く方向にフレームを取り付けます。
2. ヒーターは、木や隣接する建物の陰にならないように設置します。
3. タンクは水平に設置するのが安全。しかし そのためには常に機器の配置を調整する必要があります。
4. 配置は以下の図のようになります。
b. タンクの準備
1. まず始めに、タンクの断熱材をはがします。
2. 再利用のタンクやドラム缶を使う場合には、漏れがないか確認しましょう。
3. 表面にヤスリをかけ、便器でマットな黒色に塗ります。
c. 配管と取り付け
1. タンクは、サポートを使って地面から2～3インチ上げて取り付けます。タンクの表面の大部分が日光にさらされるように設置します。そうすることによりできる限り多くの太陽光を吸収することができます。
2. タンクの口を作ります。その接合内部には白い円を取り付けます。タンクの底にプラスチックのパイプを通します。この排出口は一番下にとりつけ、ここから冷たい水をタンク内に取り込みます。
3. 上方の同じような場所にもう一つ口を取り付けます。タンク内で温められた水はここから排出します。
4.タンクが蛇口（栓）よりも高い位置に取り付けられている場合には、タンクの最上部に穴をあけて栓を作る必要があります。この栓はニードル弁取り付けにも使います。
5. タンクに余分な開口部がある場合には、それらを閉じます。 これで太陽光給湯器の準備が整いました。
よくある質問
どんなタンクを使えば良いでしょうか？
再生タンクやRV車のタンク、または毒性のないものの貯蔵に使われていた容器などを使いましょう。
ソーラー給湯器で大量の水を温めることは可能でしょうか？
温水が大量に必要な場合には、2つまたはそれ以上のタンクを横に並べたり、同じガラスの覆いに収まるように積み重ねたりして設置しましょう。
どのようなタイプの覆いを使えば良いのでしょう？
十分な大きさがあり、きちんと断熱されているものであれば、従来のものでも、そうでないものでも何でも大丈夫です。 最高の効果を得るためには、2重ガラスの使用がお勧めです。
ヒント
日中にできるだけ長く直射日光があたる場所に設置します。ガラスの覆いはタンクから2インチ以上はなれるようにして設置します。そうすることにより、より多くの太陽光を吸収してタンク周囲の温度をより挙げることができます。ガラスの覆いは、その内部に簡単にアクセスできるようにして取り付けます。これは、定期的な機器のメンテナンスに不可欠です。
注意点
使用するタンクは、取り付ける前によく洗ってすすいでおきます。また、有害物質用に使われていたドラム缶やパイプ、タンクなどは決して使用してはいけません。屋根に給湯器を設置する場合には、給湯器の下に金属製のトレイを敷きましょう。そうすれば、今後排水や漏れをチェックするのが楽になります。
タンクの腐食を防ぎ、水が常に新鮮な状態を保つため、タンク内の空気は定期的に抜く必要があります。