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ベスト・オブ・2011: ソーラーパネル技術の進歩

太陽光発電には、高いコストがかかります。1キロワットを発電をするのに、約1万1000ドルがかかるのです。運転コストはほとんどかかりませんが、その高い初期費用によって、太陽光発電の幅広い適用は避けられてきました。世界中の研究員たちが、発電効率を高め、太陽光発電におけるキロワットあたりのコストを下げるために、様々なアイデアに取り組んでいます。マサチューセッツ工科大学は、太陽光発電研究において最前線におり、今年いくつかの新たなアプローチを考案しました。新製品を発売した技術会社もあります。これらの発展は、効率を上げコストを下げられる太陽光技術の重要な進歩を示しています。

1. 3D 太陽光電池3D Solar Cells

サンタ・バルバラを本拠とする技術会社ソーラー3Dは、3D太陽電池の特許を申請しました。この太陽電池は、従来15~18%であるエネルギー変換効率を、シリコンの理論的限界である29%付近にまで上げることができるのです。2011年までに、ワーキングモデルを構築することが期待されています。

従来のシリコン太陽光パネルでは、日光のうち約30%は反射され、発電に使用されていません。ソーラー3Dが、細溝を利用して太陽光電池の表面を新たに開発したことで、収集された日光は直接太陽電池に入っていきます。これによって、光子の発電の接触時間は延長されます。異なった屈折率のガラスの同心円状の二層が光ファイバーケーブルに光を閉じ込めている光ファイバーから着想を得たと、同社は言います。

ソーラー3Dによると、現在2D電池を製造している工場において、新たなソーラーパネルが製造に向けてデザインされています。ソーラーパネル製造会社ソリンドラが倒産した今、製造コストは大きな問題となるでしょう。ソリンドラは、コストの低い中国系企業との競合に負け、倒産したのです。

2. ウイルスが電池効率を上げる

Virus to boost solar cell efficiency

2010年マサチューセッツ工科大学の研究員チームが、発電促進のため、エレクトロンを集中的に太陽電池に送るのにカーボンナノ・チューブを使用したと発表しました。これにより、小さな太陽電池から莫大な電力が発電できるかもしれません。しかし、集合し回路をショートさせるというナノチューブのの問題点により、その利用の有益性が否定されてしまいます。今年、マサチューセッツ工科大学のもう一つのチームが、見込みのある解決案を考案しました。彼らが使用した遺伝子改変ウイルスM13は、ナノチューブに結合し、それをアミノ酸でできたポリマーのペプチド層で覆います。ペプチド層はナノチューブの配置を維持し、それぞれを分離することで、ショートを防ぎます。改良されたナノチューブの配置により、発電効率が上がっています。一度ペプチド層のコーティングが形成されれば、ウイルス環境の酸度を変えて二酸化チタンを生み出し、それでナノチューブをコーティングすることが可能だと、研究員たちは言います。二酸化チタンは、さらに太陽電池効率を上げるのです。

ウイルスにより、ナノチューブは室温で水溶性になります。ウイルスの容易な導入で、莫大な追加コストを必要とせず、太陽電池製造において高い変換効率を生み出すことができるのです。

3. プリント可能な太陽電池

Printable solar cells

マサチューセッツ工科大学の別のチームが、インクジェットのプリントに似たプロセスを利用して、柔軟な基板で太陽電池を製造するプロセスを考案しました。従来の太陽電池は、基板にエッチングを施し、高温で活物質層を配置することで作られていました。チームが考案した新たなプロセスでは、蒸気配置と120度以下の温度で、プラスチックや繊維、さらには紙からも基板を作成することができます。柔軟なソーラーパネルは、基板が何度折り曲げられても壊れることはありません。

プリント可能なこのソーラーパネルは、様々な新しい形で適用されるかもしれません。自ら発電できる屋外の広告版は、その適用の一つです。柔軟なソーラーパネルは、窓のブラインドなど様々なものに利用されています。

4. 電気を発電する窓のマルチカラー・ソーラーパネル

Multicolored solar panels

発電のため、商業ビルの窓ガラスにソーラーパネルをはめるアイデアが取り組まれています。ここで重要な発展は、カナダの会社QSolaによる様々な色のソーラーパネルの開発です。緑、青、ピンク、紫、赤、灰色のパネルがあり、建物にあった色や材質をミックスすることができます。このソーラーパネルはまた、カーテンウォールにも利用できます。例えばオフィスでは、外から射す日光だけでなく、オフィス内の照明からも発電ができるのです。

5. 窓ガラスをソーラーパネルに変えるオーガニック・コーティング

Turning windows into powerplants

窓ガラスの表面を太陽電池化する案はとても魅力的です。というのは、高層ビルの垂直面は、現在太陽電池パネルが置かれているや屋根の上よりも、ずっと広い面積を持つからです。薄いソーラーパネルを窓ガラスに固定する上での問題点は、建物内に差し込む日光をカットしてしまうことでした。これにより、照明に使用される電力が増加し、窓ガラスで発電された電力が相殺されてしまいます。

マサチューセッツ工科大学の研究チームは、この問題に対する解決法を生み出したかもしれません。有機分子から太陽電池を作る新たな技術を開発したのです。この有機分子は、赤外線を吸収し可視光を通過させます。二重窓の内面のコーティングとしてこの有機分子を利用すると、風で運ばれる砂による摩擦や、窓を洗浄する化学物質による損傷から窓を守ります。現在のソーラーパネルのコストの30%以上は、ソーラー分子を覆うためのガラスパネルの使用に使われています。よって、現存する窓枠とガラス窓を使用することで、このようなコストを削減することができます、二重窓は、冷暖房負荷を下げるため、多くの商業ビルに使用されています。

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